作ったり考えたりの記録

Perspective drawings

「取材の大切さ」に付いて考える

今日はモチーフを選ぶの際の苦労に付いてお話したいと思います。


 最近、自分のレッスンのなかでは共通の課題を描いて頂く為に「写真」をモチーフにする事があります。
勉強の為に写真画像を使って描き方の手順や考え方をお示ししているのですが、同じモチーフからいろいろなことを汲み取って絵にしていく過程を皆さんで共有する事は大変勉強になるなあ、と感じています。

昨日のブログでも書きましたが、レッスンで使う写真は基本的に私が現場に行って撮影をしています。たとえばこの時のように動物や身近に居ないモデルなどは、公開されているスケッチ用のサイトの素材から画像をお借りして使わせて頂いています。


 私個人の考え方としては(「習作」は別として)「作品」として第三者に公開する場合のモチーフとして使う写真は、「自分で撮影したもの」であることが原則であると考えています。
「スケッチで写真を使用する」というやり方自体は、多くの絵画教室等でも扱う事のある方法であると思います。特に、同じ教室に違うレベルの受講者がバラバラに居る場合や、場所や空間に限りがある場合にはよく使われるでしょう。
その際に選ぶ「写真」は「自分(または指導者である講師自体が自分で)で撮影したもの」が望ましい。

 勿論、アマゾンに居る動物や、地上から何百メートル上空の風景などは実際に行く事は難しいので写真を参考にするという事は有るでしょうけれど、身近な「旅スケッチ」に限ってはネットの写真などを安易に使って同じ構図をそっくりそのまま発表するのは好ましくないと感じています。

 (現況の法律として)著作者から権利を主張されなければ不具合は生じないものではありますがもしも絵として販売する場合に誰かの写真を使うときは注意が必要になります。「バレなきゃいいや」という考えもありますが、いい写真素材があって、参考にしたい場合は撮影者に許可を取るのがいいと思います。

インターネットの検索で見つけた余所の画像写真をそのまま使ってグッズにしたり、自分の作品として発表されたり、というニュースが後を絶ちません。

 
 ここで重要になってくるのは
「お金で売る作品なのか」「自分の画力向上の為の練習素材なのか」、という事だと思います。
練習素材はあくまで練習素材と割り切り、私も映画俳優やモデルなどの絵を描く事はありますし「模写」という学習方法自体は古来から用いられて来た方法でもあります。
そういう場合にはタイトルに「模写」や「模写習作」と表記する等の配慮が必要でしょう。わたしがここで強調したいのはインターネットで拾った「写真」は撮影者にとっての渾身の一枚かもしれないんです。この辺を忘れてはいけないと思います。

 
私は絵を書く事は単なる「再現」ではないとと思っています。知らない誰かが撮影した写真を安易に写し満足するのではなく、「あくまで勉強の素材として捉え謙虚に学ぶべきだし、写真からの練習は「現場で描く為のトレーニングの一つ」に過ぎません。
 今回のレッスンでは建物写真からスケッチに起こす練習をした後、実際の建物をスケッチをして頂こうと思っています。
 いきなりの現場スケッチはやはり敷居が高いので、こうした写真での下準備はとても大切です。
現場スケッチ、写真スケッチ両方を勉強しながら取り組み、フィードバックしながら自分の絵を作っていけば、自在に描ける楽しさがうまれてくるのではないかなあと思ったりしています。



余談、私の場合
 自分は、人物を描く場合もお金を出して毎回モデルを描かせて頂いています。1回あたり2000円から3000円掛かります。往復の交通費はもちろん自分で持ちます。

 風景の絵を書きたければ現場まで趣き、スケッチをし写真を撮って取材をします。
 近場の場所であっても写真も1000枚ほどは撮影しますし、カメラも2台持っていきます。例えばチャグチャグ馬コに関しても前日の撮影会と当日2日間取材しました。もちろんスケッチもしましたし、衣装作りについて話を伺いに行ったり、裸の馬を描きに牧場にも行きます。1枚の絵を描くのに対しアホみたいに時間を取られる(苦笑)。

 家事や仕事の合間に取材するので面倒は面倒ですが、最終的には「自分の足で歩き、目で見たもの」が形になるのだと信じています。写真とスケッチの為に時間もお金も手間も掛かりますが、自分にとっての旅スケッチには書かせない要素は「空気感」だと思うので、(たとえ写真を用いることはあっても)「現場に趣いて感じたもの」を絵にしたいと感じています。

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 コンピュータを使って簡単に絵が描ける現代からするとホントに前近代的すぎる。
実は10時間かかって描いた私の絵と3時間で出来たコンピュータで描いた絵とだったら、どっちがいいかなんて誰にも分かりません。ちなみに私はコンピュータ否定派ではありません。コンピュータは立派な「画材」で現在の印刷物の殆どはコンピュータで処理されたものです。デジタルで短い時間で描いた絵が手描きとくらべて劣るということは決してありません。寧ろ今から訓練出来るならやりたいくらいです。(ただ時間的物理的コストが掛かるのでやらないというかやれない)

 もとい。

 さて、自分の場合ですが、多くの人がコンピュータの絵を好んだとしても、筆と絵の具を使って10時間かけて絵を描くと思っています。 長い時間をかけて描くのと、自分の目を通して考えた痕跡を辿りたいって思うからなのだと思います。あと、単に元を取りたいというか、「自分の足で稼いだもの」を形にして納得したいだけなのかもしれません。

いずれモチーフ選びは大変。自分にとっては取材が命の綱みたいなものだなーと改めて感じた次第です。少しずつ亜米利加滞在日記の間に撮り貯めた北米の風景もスケッチにしたいと思います。


 

(参考) 「雑誌の写真や広告を参考にスケッチをするのは、盗作でしょうか? 」okwaveより 
http://okwave.jp/qa/q4385771.html

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nyororo

Author:nyororo
にょろろ(狩野直子)
射手座 B型。

高校の美術教師として勤務後、2007年よりフリーで仕事をはじめました。 現在は狩野直子名義で水彩やイラストの制作、スケッチ教室で講師をしています。
エコールドマシェリ「毎日を彩るスケッチ日記」
JEUGIAカルチャー盛岡「透明水彩スケッチ」
マシェリにて月一回の連載「季節を彩る岩手の野鳥」のイラストを描いています。

にょろろ名義では手帳や時間管理のイベントやオフ会を主催したりしています。
「ジブン手帳公式ガイドブック2017」(実務教育出版)「測量野帳スタイルブック(エイ出版社)藍玉さん著 「まずは書いてみる」(KADOKWA)「手帳事典2018」(玄光社)「に掲載されました。「箇条書き手帳」でうまくいく 初めてのバレットジャーナル (Discover21)に掲載されました。

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